歯科コラム

悩んでいませんか??お子さまの指しゃぶり

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指しゃぶり 子ども

こんにちは、江戸川区一之江の矯正治療専門クリニック、ステラ矯正歯科院長の西田です。

お子さんの口もとを見たときに、歯並びが気になった事はありませんか?
実は、歯並びが悪くなる原因は、骨格や歯の大きさなど先天的な原因だけでなく普段の生活の中の癖(くせ)が深く関わっています。

指しゃぶりや、上下の歯並びの間に舌を挟んで飲みこむ舌癖(ぜつへき)、爪噛み、口唇噛みなどの口周りの癖があると、出っ歯やすきっ歯、開咬(かいこう)、あごの偏位などを引き起こすことがあります。

お子様の指しゃぶりがなかなか治らず心配されている親御さんも多いのではないでしょうか。

成長と共に自然に治るとは聞くものの、できれば早くやめさせたいと思うのは親としては当たり前のことかもしれません。しかし、指しゃぶりのような口周りの癖の背景には子供の心の発達段階において、家庭や保育園、学校などの環境に対する心の問題が関連していることが多いとされています。

やめなさい!と注意するのを少し待って、観察してみてください。どんな時に、お子さまは指しゃぶりをしていますか。

  • 眠いとき
  • 怒られたとき
  • お腹が減ったとき
  • ほったらかしにされているとき(親が構ってあげられない時)

子どもは寂しい時やストレスを感じているときに指しゃぶりをしているようです。

指しゃぶりの原因には子ども心理的ストレスがあるため、指に苦い味の薬を塗ったり、手袋や指サックをするなどの物理的な方法だけではさらにストレスを抱えることになり爪噛みや抜毛などの他の癖となってしまうこともあります。

指しゃぶりが原因で起きる歯並びへの影響は?

ただ、指しゃぶりを続けていると歯並びやかみ合わせに悪い影響がでるといわれているため放置しておいて良いとは言い切れません。

指しゃぶりによる咬合の異常として次のものが挙げられています。

(1)上顎前突:上の前歯が前方にでる。指で前歯を押すため。
(2)開咬:上下の前歯の間に隙間があく。指が常に入っており、前歯を骨の方に押し込んでしまうため。
(3)片側性交叉咬合:指を吸うことによって歯並びのアーチが狭くなり、どちらかにあごをずらさないと噛めない状態になってしまう。そのうちに上下の奥歯が横にずれて中心があわなくなってしまう。

出典:日本小児歯科学会ページ(http://www.jspd.or.jp/)

3歳児歯科健康診断における不正咬合の判定基準(PDF/331KB)

歯は小さな力で動きます

歯自体がとても硬いため頑丈に感じるかもしれませんが、歯と骨を繋いでいる歯根膜という組織は歯にかかる力にとても敏感です。力を感じると骨に働きかけ数十グラムの力でも歯を移動させてしまいます。舌の力は数百グラムですから舌癖(ぜつへき)や指しゃぶりなどの悪習慣によって歯は簡単に移動してしまいます。ただ、その分治療の効果も出やすいのでご安心いただきたいと思います。良いも悪くも未知の可能性を持っているのが子どもですね。


歯並びに影響を与える悪い口周りの癖(口腔習癖)には以下のようなものがあります。

・口呼吸
・指しゃぶり
・爪噛み
・口唇噛み、口唇巻き込み
・舌癖(ぜつへき)

その他にも態癖と言われる全身の癖が歯並びや口の機能に影響します。

・うつぶせ寝、横向き寝

・猫背

・頬づえ

・偏咀嚼 片方だけで食べる癖

口腔習癖と違い、態癖は心理的原因の関与があまりないため、声かけによる中止が有効です。

様々なお口の癖(口腔習癖)

・口呼吸

本来は、舌で外に押し出す力と、くちびるで内側に押す力によってバランスが保たれ、歯が正しい位置に並びます。
いつもポカンと口が開いていて、口で呼吸をしている様な場合は、くちびるで歯を押さえる力が弱くなってしまうため、内と外の力のバランスが崩れ、歯並びが外に傾斜して出っ歯になる原因となります。

・指しゃぶり

生後数ヶ月になると多くの赤ちゃんに指しゃぶりが見られます。
赤ちゃん時期の指しゃぶりは見守っていて問題ありませんが、永久歯が生えだす時期まで指しゃぶりの癖が残っていると、出っ歯や奥歯を噛み締めても前歯に隙間がある開咬(オープンバイト)になってしまう恐れがあります。

・爪を噛む
爪はとてもかたいので、爪を噛む癖が続くと、前歯の歯の根の部分が短くなったり、歯の先端が減ったりなど、歯ぐきや歯自体に負担がかかってしまいます。
また、前歯での咬み癖に繋がる場合もあり、受け口を助長する場合もあります。

・唇を噛む、巻き込む
下唇を噛む癖の場合は、上の前歯が前の方に傾き、下の前歯は内側に傾いていくため、出っ歯になりやすくなってしまいます。

上唇を噛む癖の場合は、上の前歯が内側に傾き、下の前歯が前の方に傾いていくため、受け口になりやすくなります。

上下の口唇を巻き込む癖があると歯が内側に押されるため歯並びがガタガタになる原因となります。

・舌癖(ぜつへき)

歯の裏側から舌で歯を前へ押し出そうと強く押したり、
ポカーンと口を開けて、上下の歯の間から舌が出ていたりする癖です。
舌癖(ぜつへき)は、舌を正しい位置においていないことも関係しています。

定位置がいつも前歯に触れる状態になっている場合は、
前歯を前方へ押し出す力が常にかかった状態になります。
また、舌が歯に当たった状態のままものを飲み込むと、さらに強く前方へ押し出す力が加わります。人は1日に1~1.5リットルほどの唾液を分泌し、飲み込む動作は、1日で約2000回ほど行っています。
そのたびに、前方へ押し出す強い力が加わることになり、出っ歯や開咬(かいこう)の原因になります。

舌を正しい位置におくトレーニング方法

参考までに、歯科医院でよく行うベーシックなトレーニングをご紹介します。ただ、普段意識しない舌や口唇をいきなり動かすのはかなり難しいです。元々の動かせる範囲、コントロールできることも個人個人かなり差があることをご理解ください。わからないことがあれば、筋機能訓練を行なっている歯科医院にご相談ください。

1 スポット

スポットのトレーニングは舌を正しい位置に置いておく癖を付けるためのトレーニングです。
呼吸している時や、ものを飲み込む時など、自然にスポットポジションに舌先があるようにします。スポットポジションとは、上顎の裏側、上の前歯のちょうど間から少し内側に入った歯ぐきの膨らんでいる部分です。
トレーニング方法としては、まず顔全体が映るような鏡と木製のスティックを用意します。
木製のスティックは、割っていない割り箸やアイスの棒で大丈夫です。

準備ができたら、
①・・5秒間スティックでスポットを触ります。
②・・次に、スティックを離して、同じ場所を舌の先端で触ります。
舌先をスポットに当てる場合、舌先を丸めずに先端を尖らせた状態でスポットに当ててください。
③・・①と②を交互に5回ずつ繰り返します。

2 ポッピング

ホッピングもスポットと同じく、舌を正しい定位置に置いておく癖を付けるためのトレーニングです。

①・・舌の先端をスポットに当てて、口を大きく開けます。
②・・舌全体を上顎に吸い付けます。※舌の後ろの方まで上顎にくっつくように吸い付けます。舌が歯並びの上に乗っかってしまわないようにキュッと吸い上げます。
③・・吸付けた舌で「ポンッ」と音を立てて離します。
あまり早くやりすぎても、遅くやりすぎてもトレーニングになりません。
ゆっくりと数えて、「1、2、3、ポンッ」ぐらいの意識で行うと良いです。
④・・ホッピングを20回行います。

最後に。。。指しゃぶりを卒業するためのオススメの本

指しゃぶりの原因にストレスがあるならば、口うるさく注意することは、子どもにとっても余計なストレスを与えることになり、注意する大人にとってもストレスとなります。指しゃぶりを子どもと一緒に卒業していくために、まず辞めなさい!と厳しく注意することは避けたいものです。お子さんも指しゃぶりを我慢する分、見守る大人も一緒に注意するのを我慢できるといいですね。

お子さん自身が指しゃぶりを辞めたいという気持ちになるオススメの絵本があります。当院でも貸し出しをします。

『ゆびしゃぶりやめられるかな』三輪康子、大野粛英著 わかば出版

指しゃぶりをしている王子様が主人公で、お子さまが指しゃぶりの害について理解しやすいようになっています。絵本は毎晩読んで、お子さまが少しでも頑張れたら大いに褒めてあげてください。完全に辞められなくても時間が短くなったり、自分で気づいて辞められたり、小さなことでも頑張れたことがあった日にはカレンダーにシールを貼ってあげる工夫も併せて行うとgoodです。

まとめ

指しゃぶりを中心に、お子様のお口の癖と歯並びへの影響、改善のヒントをお伝えしました。癖というものはお箸の持ち方のように、一度習慣化してしまうとなかなか直しづらい部分もあると思います。特にお口周りの癖はその背景にお子さまの心理的なストレスも関係していることがお分りいただけたと思います。一時の癖である場合がほとんどですが、お母さんにとっては大問題ですよね。ただ、癖一つを切り取って見てしまうことは問題の根本解決にはなりません。スキンシップを増やすなど、生活の中でのもう少し大きな視点が必要になりそうです。お母さん一人で悩むのではなく、私たちもサポーターとしてお子様の健やかな成長を一緒に見守りたいと思っています。気になることはお気軽にご相談下さい。

参考文献:

行動科学に基づくOral Habits中止支援の実際 大野秀夫編著 東京臨床出版

指しゃぶり~基礎から指導の実際~ 大野粛英 わかば出版

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