
こんにちは江戸川区瑞江のステラ矯正歯科です。矯正の診断に始まり矯正治療では「歯型取り」をおこなう機会が多くありますが、得意でない方が多くいらっしゃいます。
本日のコラムでは「歯科治療で起こる嘔吐反射について」お話いたします。
嘔吐反射とは
基本的には生理的な反射で、人は誰でも喉の奥に異物を感じると異物を吐き出そうとする反射が起こります。この反応が強いと歯科器具を入れたときに「オェッ」となってしまい、歯科治療を受ける際に苦労することが増えてしまいます。
なぜ歯科治療で嘔吐反射が起こるのか
異物(歯科器具)による生理的な反射のほか、歯科治療に対する不安感や恐怖心などの心理的な要因、口で呼吸しているといった問題があると嘔吐反射が出やすくなります。
すると、歯型取りの際に吐き気がする、歯科用の鏡を口内に入れただけで気持ちが悪くなってしまう、レントゲンを撮影するとき口の奥にフィルムが入ると吐き気がするなどといった症状が現れやすくなります。
歯科治療時に嘔吐反射が起きないようにする対策とは
嘔吐反射が強い場合、まずその旨を受診している歯科医院に伝えるようにしましょう。
各医院でおこなっている対策は様々ですが、一般的には以下のような工夫やコツがあります。
(当院ですべて実施しているわけではありません)
医院側の工夫として、
- 治療中は寝た姿勢ではなく、やや上体を起こした姿勢にします。
- 可能ならば治療で使用される器具を一回り小さくするなど、違和感を軽減します。
- 吸引管(バキュームや排唾管)で、唾液や水を吸いながら治療するように気をつけます。
- 表面麻酔を用いて、感覚を鈍化させることで違和感を軽減している医院もあります。
患者さんに伝えているコツとしては、
- できるだけゆっくりと鼻呼吸しましょう。鼻から吸って口から吐く動作には、リラックス効果があります。
- 歯科治療中、可能な状況ならば、できるだけ顎を引きましょう。顎を引くことで異物が流れ込むのを軽減できます。
- 腹筋に力を入れ、足をまっすぐに伸ばしましょう。腹筋に力を入れると、吐き気を抑制できるとされています。
- 治療の間は、できるだけ他のことに意識を向けましょう。
歯型取りの苦手な患者さんには、イヤフォンで音楽を聴いたり、スマホで好きな動画を観たりを勧めることもあります。
未来の歯型取り
歯型取りというと、粘土(主にアルジネート印象材)を使用したものがメジャーである一方で、技術の進歩により小型カメラで口の中を撮影し、そのデータを立体的な画像で見れる「光学印象」と呼ばれる機器が、歯科治療の場で少しずつ実用されるようになってきています。
光学印象のほか、口腔内スキャナーやデジタルスキャナーとも呼ばれています。
1秒間に数千枚という膨大な数の撮影が可能になったことで、立体的な画像を取得できるようになりました。
光学印象のメリットとして、
- 粘土による歯型取りよりも光学印象の方が、精度が高い場合がある
- 不快感が少なくて済む
- 従来の歯型取りよりも、資料を取る時間を短縮できる
- スキャンされた画像を即確認できる
などが挙げられます。
ただし機器自体が高額であることや、保険適応外の処置となること、また歯型取りから実際に模型にするには3Dプリンターで出力する必要があることなど考えると、実際の治療の場で普及するにはまだ時間がかかるとされています。
当院で、光学印象を実用している場面としては、
初診相談時や、「インビザライン」というマウスピース矯正治療の歯形取りの際に活用しています。
まとめ
嘔吐反射についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか。
歯型取りの苦手な方で、参考になりそうなことがあれば幸いです。
また、光学印象の機器のお話をしましたが、当院では、粘土による歯型取りにとって変わるといった状況になるまでは、様々な課題もあり、もう少し時間がかかりそうです。
江戸川区瑞江のステラ矯正歯科では、矯正治療に関するお悩みや疑問にお答えする初診矯正相談もおこなっておりますので、お気軽にお問合せ下さい。