歯科コラム

教えて!抜歯ってどんな感じ?

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ステラ矯正歯科 院長 西田英莉

江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

こんにちは。江戸川区瑞江にある矯正専門クリニック ステラ矯正歯科です。

矯正治療を行うにあたり、治療方針として親知らずや小臼歯を抜いて矯正治療を行うことは、よくあることです。そして矯正専門医では、抜歯処置は行わないため、口腔外科や一般歯科で抜いてきてもらうことになります。今回のコラムでは、「抜歯処置について」お話していきたいと思います。正しく知ってもらうことで、抵抗感や怖さが軽減されれば幸いです。

抜歯処置の実際

手順は??

抜歯する歯の状態によって多少違いは出てきますが、ここでは「一般的な親知らずの抜歯処置について」お話していきます。

①抜歯する周囲の歯茎の消毒・麻酔を行い、痛みや出血を抑えます。

②歯と歯茎は靱帯でつながっているため、器具を用いて靱帯を切断し歯を脱臼させます。脱臼後、鉗子で歯を引き抜きます。

(※鉗子…カンシ/ペンチ様。ものを掴んだり牽引したりするのに使用する器具。)

親知らずの場合、歯茎の中に埋もれていたり、あごの骨で覆われていたり、歯の根っこの形態が複雑なことも多く、その状況に合わせて歯茎を切り開くなどして抜歯を行なっていきます。

③膿や不良な組織を除去し、抜歯した穴をきれいにします。

④ガーゼをなどで圧迫し止血します。歯科医師の判断で、抜いてできた穴に、薬を入れたり糸で縫ったりします(縫合)

⑤抜歯後、翌日~1週間の間で、傷口の消毒や腫れの状態を確認します。縫合していた場合、抜糸を行うこともあります。

※2~3日分の抗生剤・痛み止めを処方されることが多いです。

以上のような手順で抜歯は行われます。

処置にあたり、歯科医師はどんなことを事前に確認しているの?

レントゲンで、抜歯する歯の生え方や歯茎の状態を確認しています。

具体的には、歯の根元があごの神経に近くないか、歯の生え方や角度はどうか、根っこが二股に分かれていないか、など確認します。また全身疾患や開口障害がないか、抜歯に対して患者さんの理解が得られているかなど、安全に抜歯処置が行えるか確認後、抜歯処置を行なっています。

抜歯前後の注意点って??

一般的な注意点を記載します。

①抜歯前日や当日

抵抗力が落ちていると細菌感染が起こりやすくなります。寝不足や疲れに気をつけ、前日当日はアルコール・タバコは控えましょう。

②抜歯直後や数日

※腫れや痛みのピークは個人差がありますが、抜歯後~4日程度です。

麻酔が効いている間は、唇や舌を噛まないよう気をつけましょう。 ※浸潤麻酔の作用時間…2~3時間

傷口を指や舌で触らないようにしましょう。

飲酒・入浴・激しい運動・刺激の強い食事は、血行が促進され再出血しやすかったり痛みが増すことがあるため、避けましょう。

歯磨き時の強いうがいは「ドライソケット」の原因となるため避けましょう。

処方された抗生剤は、感染防止のため痛みが引いてもしっかりと飲むようにしましょう。

抜歯が終わったら・・・

抜歯後の痛み・腫れと治癒について

抜歯後の痛みのピークは抜歯直後~1、2日後とされ、その後腫れのピークがきて、歯茎が腫れて膨らみます。腫れはおおよそ1週間程度で徐々に引いていきますが、1~2週間過ぎても腫れや痛みが治まらない場合は炎症を起こしている可能性があります。

通常、抜歯した穴は「血餅(ケッペイ)」と呼ばれる血のかたまりが、傷口が治癒するまでカサブタの役目をしてくれます。

しかし、うがいを繰り返したり、抜歯した穴に舌や歯ブラシで触れるなどしてしまうと、カサブタは剥がれてしまい、露出した骨に食べカスや細菌が入り込み炎症が起こり、強い痛みとなってしまうことがあります。(ドライソケットと呼ばれる症状です。)「ドライソケット」を防ぐためにも、抜歯を行った歯科医院での伝えられた注意事項や服用を守りましょう。

抜歯後、歯茎は1ヶ月程度で治り、約半年~1年ほどで穴が完全に塞がっていきます。

治癒の過程で感染が起きると膿が溜まってしまうことがあります。そうした場合は、膿を出す排膿処置や服薬を行い経過を見ていきます。

上を抜くか下を抜くかで、痛みや腫れに違いがあるの?

一般的に下のあごの骨の方が、上のあごの骨より骨密度が高いため抜きにくいとされています。

また、埋まっている歯を抜く際、歯の傾き方が強かったり、骨の深い位置にあればあるだけ、骨を多く削る必要が出てくるため、骨や歯肉のダメージは大きく腫れも大きくなりやすくなります。

「親知らず」の抜歯に最適な年齢

親知らずは18歳ごろに生える奥歯で、正式名称は第三大臼歯といいます。現在の日本では16歳以上の年齢に対して、親知らず抜歯を行う際、保険診療が適応されます。

年齢が若い時期の方が骨が柔らかいため、年齢を重ねてから抜歯するよりも処置が行いやすいとされています。また若いうちの方が治癒力も高いため治りが早いといわれています。

そのため、若いうちに親知らずを抜いた経験を持つ人は多くいます。

抜歯にかかる費用

基本的には矯正治療に伴う、健康な歯を抜歯する場合「自費治療」となり、費用は5000円~10000円が相場とされています。

ただし、むし歯や歯周病に罹患している歯を抜歯する場合は「保険適応」になることもあります。

また親知らずの場合は、矯正治療のための抜歯であっても「保険適応」になることが多いようです。自費か保険適応かの判断は、抜歯を行う口腔外科・歯科医院によって決定されます。

まとめ

抜歯処置についてお話ししてきましたがいかがだったでしょうか。漠然とした抜歯が、少しでもイメージできて

抜歯に対する抵抗感や、痛みや腫れの様々な心配が少しでも軽減できたコラムにれれば幸いです。

当院から抜歯が必要な旨を伝えさせていただく際、心配や質問がありましたら遠慮なくお尋ねください。

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江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

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