こんにちは。江戸川区瑞江のステラ矯正歯科 院長西田です。
以前、「ガムを用いた運動療法」についてお話しさせていただきましたが、本日のコラムは
その第二弾「ガムを用いた運動療法・年代別編」についてお伝えしたいと思います。
興味を持っていただいた方は、ぜひ第一弾コラムを一読してくださいね。
年代別にガムを使った具合的な運動療法をいくつか紹介します。
目次
ガムトレーニングの基本姿勢!
座り姿勢でも立ち姿勢でも、「口を閉じること・呼吸ができる姿勢で行うこと」を意識しましょう。
骨盤を立て呼吸がしやすいようにします。
また身体が反り返り過ぎないようにしましょう。
子供のガムトレーニング
ガムをしっかり噛めるお口の中であること、指示を理解できることを考慮して、4~5歳以上を対象に行います。
以下のような状況に対して、ガムトレーニングが活用できます。
①噛む力がない、②噛み方が下手、③長時間噛めない、④舌癖の改善、⑤凸凹の予防、など
この中からいくつかピックアップしてご紹介しますね。
(①噛む力がない子のガムトレーニングに関しては、前回コラムに記載しています)
噛み方が下手な子に対するガムトレーニング
噛み方が下手な子は、噛み方の使い分けができていないことや、噛む場所が間違っていることが大半です。また舌をうまく使えていない場合もあります。
いずれにしても食事時間がダラダラと長くなりがちで、少食の傾向が見られます。
以下のような練習をしてみましょう。
①軟らかめのガムを用いてリズミカルに上下運動で噛みます。噛む場所は歯列中央で、1日2~3回、1回に5~10分行います。
②これが上手にできるようになったら、徐々にガムの硬さを硬くし、歯列後方でしっかりゆっくりと臼摩運動で噛むようにし、1日2~3回、1回約5分練習していきます。
長い時間噛めない子に対するガムトレーニング
長時間噛めない子は、咀嚼のリズムが身についていないか、力の入れ具合がわからない場合が大半です。柔らかいガムを5~10分噛むことを目標に、毎日少しずつ噛む時間を長くできるように練習しましょう。噛めなくなるまでの時間を測り徐々に増やせるようにしていきましょう。
中高年に対するガムトレーニング
中高年に対しては、①顎関節症とガムの関係性、②顔の非対称改善のための咀嚼側変更、 ②口唇閉鎖トレーニングなどで、ガムをトレーニングが活用できます。
(②顔の非対称改善のための咀嚼側変更に関しては、前回コラムに記載しています)
顎関節症とガムトレーニング
これに関しては、活用というよりも留意事項となります。
ガムのような凝集性の強い食品は顎への負担が大きく、また成人期になると筋肉の柔軟性も若い頃よりも低下するため、筋肉の硬化が生じやすくなります。つまり、顎関節症があった場合、ガムはどちらかというと増悪させる方向に働きやすくなります。
そのため、ガムを不必要に強く噛んだり、長時間噛むことは好ましくないとしています。
(ただし個人の歯列咬合によっては、ガム噛みが有効な場合もあるため、尋ねてください)
口唇閉鎖のガムトレーニング
口を閉じたままガムを噛むことで、口呼吸の改善を期待します。
自分の好みの硬さのガムを好きなだけ噛みます。ただし強く噛まないよう、長時間噛まないよう気をつけます。このトレーニングは子供にも有効です。
老年期に対するガムトレーニング
高齢者の筋肉は、加齢によるサルコペニア・不用による廃用萎縮(二次サルコペニア)の2つが同時進行することで、急激にその能力が低下します。それを防ぐ最良の手段が筋肉を使うこととなります。そのためにガムを活用します。
※サルコペニア…加齢による様々な変化によって引き起こされる筋肉量の減少及び筋力の低下をいいます。
咀嚼筋の維持と賦活(フカツ)のためのガムトレーニング
賦活とは、活力を与えて機能や作用を活発にすることです。
咀嚼筋を賦活するためには、ものを噛むのが一番ですが、高齢者にとって食物を摂取することはカロリーの面から不要であったり、物によっては口腔を不潔にしたり、喉に詰まらせたりする危険性も考えなければなりません。
その点、ガムはカロリーの心配が少ない、凝集性が高い、喉に詰まらず事故は起きにくいことから、効果的に用いることができます。
具体的には、自分の好みのガムを、1日2回5分間程度ゆっくりしっかりと噛みます。
入れ歯などを装着している場合は、くっつきにくガムを選ぶといいでしょう。
シェーグレン症候群やドライマウスへのガムトレーニング
シェーグレン症候群(女性に好発する自己免疫疾患)、ドライマウス(口腔乾燥)は唾液量の減少が問題となります。
唾液量減少への対応として、口腔内用保湿ジェルの使用や唾液腺マッサージの他、ガムを噛むことで、唾液の分泌が期待できます。
リズミカルに軽い力でガムを噛みます。長時間噛む場合は、適度に休息を入れながら噛むようにしましょう。
まとめ
「ガムを用いた運動療法の第二弾」ということで、子供・中高年・高齢者を対象とした具体的なトレーニングをいくつかお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。興味を持たれた方がいましたら、どんなトレーニングが自分に必要なのかを、ぜひ江戸川区瑞江のステラ矯正歯科にお尋ねください。