こんにちは!江戸川区瑞江のステラ矯正歯科 院長西田です。
お口の中の疾患は飲食の影響を大きく受けます。
そこで今回のコラムでは、近年健康食品として人気のある「プロテイン」について、歯科との関わりも含めお伝えしたいと思います。
目次
プロテインとは
プロテインとは英語で「タンパク質」を意味します。
タンパク質は、肉や魚・大豆製品・卵・乳製品など日常の食事から摂取できる栄養素で、
筋肉・内臓・皮膚・髪の毛・爪に加え、ホルモンやヘモグロビンなど様々な形でカラダの中に存在しています。
食事から必要量のタンパク質を摂ろうとすると脂質を過剰摂取しやすくなるため、
近年「カラダ作りに必要なタンパク質を、手軽に効率よく摂れるプロテイン」が注目されています。
プロテインの種類
どんな目的で摂取するかにより選ぶプロテインの種類は変わり、大きく3種類のプロテインに分けられます。
①ホエイプロテイン
牛乳を原料としたプロテインです。「低カロリー・栄養が凝縮されている・体内への吸収が早い」という特徴を持ちます。
この特徴から「運動直後の(タンパク質不足の)カラダに、素早くタンパク質を補給する」際に最適とされています。
以前「ホエイ」は牛乳からチーズを作るときの余り物とされてきましたが、研究が進み、重要なタンパク質の一つとして見直されるようになっています。乳脂肪分やカゼインを取り除き「ホエイプロテイン」は作られます。
②カゼインプロテイン
牛乳を原料としたプロテインで、チーズやヨーグルトを固める乳固形分が主要成分となります。
ホエイプロテインが水溶性で吸収が早いのに対して「不溶性で固まりやすい特徴」を持ちます。
その特徴から、カラダにゆっくりと持続的にプロテインを蓄えることができます。
私たちの体は、寝ている間もエネルギーを消費しています。カゼインプロテインを摂取することで、就寝中に時間をかけてタンパク質を補給できるほか、就寝中に分泌される成長ホルモンによる筋肉の成長を促進したり、日々の疲労回復が行えます。
③大豆(ソイ)プロテイン
大豆を原料とした植物性プロテインです。大豆に含まれる油脂などを取り除き、残ったタンパク質を粉末状に加工した製品で、大豆イソフラボンや食物繊維、アルギニンを多く含みます。
体への吸収がゆっくり働くという特徴を持つため、腹持ちが良いとされています。
体重コントロール時の栄養補給のほか、カルシウムやビタミンが含有されているソイプロテインであれば、日々の健康維持にも向いています。また乳製品が体質に合わない・ビーガンといった食嗜好がある場合でも取り入れやすいプロテインとなります。
④ピーププロテイン
エンドウ豆由来のプロテインでアレルギーの可能性が低く、新たなプロテインとして注目されています。
プロテインを摂っていれば大丈夫?
タンパク質は生命活動において基本となる栄養素ですが、「糖質・脂質・ビタミン、ミネラル」など他の栄養素も生きる上で欠かせないエネルギー源であり、これらをバランスよく摂取する必要があります。
プロテイン飲料はあくまでも栄養補助食品です。「食事」の大切さを様々な面から考えたとき、プロテイン飲料を食事のメインとして栄養素を補う食生活はNGといえます。
プロテインを摂取する目的は、人それぞれですが一般的には、
トレーニング前後に栄養補給、日常の食事でタンパク質を上手に補えない、全体的な食事量が減ってしまった、健康維持を行いたい、などであり、日々の食事を置換するものではありません。
プロテインとむし歯の発生
プロテイン自体はタンパク質であるため、むし歯の原因となることはありませんが、
プロテインを「何で溶かして飲むか」は、むし歯の発生に大きく左右します。
ジュースやスポーツドリンクなど糖分入り飲料で習慣的に溶かして摂取する場合、むし歯の原因となるリスクは高まるため、影響のない「水」で飲むことを推奨します。
味のついた飲料でないと飲みにくいという場合は、ダラダラと摂取しないように気をつけましょう。
またプロテインに含まれる人工甘味料の種類、炭水化物の有無によってはむし歯の原因になり得るため、その点についても確認するようにしましょう。
プロテインと歯周病
歯周組織が破壊されていく疾患が「歯周病」です。
歯周組織の一つである歯肉の約60%はコラーゲンから生成されますが、そのコラーゲンは、「タンパク質・ビタミンC・鉄」から作られます。
歯肉の新陳代謝は、わずか5日と驚異のスピードで入れ替わるため、栄養状態に大きく(ダイレクトに)影響されます。つまり日々の食事が関わってきます。
タンパク質が十分に摂れていれば健康な歯周組織を維持しやすく、歯肉からの出血や炎症が生じても改善しやすくなりますが、たんぱく質が不足していると治癒がなかなか進まないということが起こりやすくなります。
こうしたことから、歯周病予防の一つ策として、不足しがちなタンパク質を補うためにプロテインを摂り入れることを推奨している歯科医院あるようです。
※栄養だけで歯周病予防は行うことはできませんが、重要な対策となります。
甘くないプロテイン
プロテインを美味しく摂取する工夫として、砂糖に比べてカロリーが低く少量で強い甘みが感じられる人工甘味料が含有されていることが大半です。キシリトールやアスパルテーム、オリゴ糖など人工的に作られた甘味料が用いられています。
継続して摂取していきたいと考えたとき、美味しいということは絶対条件となりますが、
甘さが苦手な方や、常飲している飲み物に混ぜて飲みたい方、また歯科の面から言えば「人工甘味料とはいえ強い甘味に慣れてほしくない」場合、甘くないプロテインも選択肢の一つとなります。
甘くないプロテインの条件とは以下のようなものになります。
①人工甘味料・砂糖不使用である
②プレーン味や、ノンフレーバー味である
③甘くない・甘さ控えめのである
まとめ
プロテインについてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
情報量が多いため伝えきれない部分もありましたが、「プロテインに対する基本的な知識、歯科的な立場からのプロテインの取り扱い」について、少しでもご理解いただければ幸いです。
その他の栄養補助食品についても、順次コラムで取り上げてみたいと思っています。
江戸川区のステラ矯正歯科では、矯正治療中にお口を健康に保つために栄養についてもお伝えしていきます!