歯科コラム

取り外しできる上下一体の矯正装置

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ステラ矯正歯科 院長 西田英莉

江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

こんにちは。江戸川区瑞江の矯正歯科ステラ歯科 院長西田です。
 矯正治療で使用される装置は多岐に渡り、取り外しできるものと、取り外しできないものに大別されます。
今回のコラムでは「取り外しできる上下一体の矯正装置」についてお伝えしていきますね。
取り外せる装置の場合、治療効果は患者さんの装着時間に大きく左右されるため、患者の協力がとても大切になります!

機能性矯正装置について

上下一対の矯正装置とは

ワイヤー・ゴム・バネなどの材料の器械的特性に頼らず、装置を使用する患者さん自身の口周りの筋肉の機能力を活用したり、異常な筋肉の機能圧を排除することで、歯の移動を行ったりあごを正しい位置に誘導する装置を「機能的矯正装置」といいます。「機能的矯正装置」は、上下一対型であることが多く、主に成長発育期に用いられます。
どの機能的矯正装置も基本の型はあるものの、様々なアレンジがされ汎用されています。

どんなパーツから成るの?

機能的矯正装置は
「レジン床」と呼ばれるプラスチック部分、
周囲筋の機能力を伝達あるいは排除する「誘導線」、
前歯の調整や口唇圧の排除を行う「唇側線」
側方拡大を期待する「コフィン」、といった様々なパーツの組み合わせから構成されています。

アクチバトール

機能的矯正装置の先駆けとなった装置です。上下レジン床が一塊になった構造であるため違和感が強く、現在では改良されたタイプ、あるいはほぼ同様の目的を持つ「バイオネーター」がその役目を担い使用されています。主に下あごを前方成長させるために用いられる装着となります。

バイオネーター

様々なバリエーションがありますが、歯列に大きな配列異常がないことが共通条件としてあります。
アクチバトールと同様、下あごを前方成長させたい時に用いる装置で、主に生え変わりのある混合歯列期で使用します。
下あごの成長が乏しい上顎前突で用いられ、下あごを切端咬合になるくらいまで前方に出した咬合位で装置を製作します。
下あごの成長を軌道修正することで、上下のあごの前後的な位置を整える目的にほか、
拡大ネジを付与させて、横方向への積極的拡大を期待することもあります。

EOA

緩徐拡大装置としての意味合いが強い装置となります。つまり、緩やかな拡大を期待した装置となります。
装置中央に存在する「コフィン」と呼ばれるU字ワイヤーを調整することで歯列幅を拡げ、同時に前歯の表裏に付属されたワイヤーによって、前歯を配列していきます。
歯列幅の拡大+前歯の配列を行いながら、あごの位置を軌道修正できる、といった特徴をもつ装置となります。

噛み合わせの浅い症例〜普通の症例で適応され、混合歯列では咬合面つきで製作し、
生え変わりに合わせて、咬合面を削りながら歯牙の萌出誘導を行います。

ビムラー

下あごを後方に位置付ける「反対咬合の改善を目的」で主に用いられる装置となります。
(上顎前突者用にアレンジされることもあります)
アクチバトールの筋機能力+ワイヤーの弾性による器械的作用を兼ね備える構造からなり、
下あごの発育方向のコントロール、ワイヤーによる上下前歯の位置や配列の改善を期待します。
装置の大部分がワイヤーで構成されるため、器械的矯正力が作用しやすくなり、また装着時の違和感少なく済みます。

フレンケル

装置に取り付けられた複数のレジンパットによって、口周りの筋肉圧がかからないよう排除したり、あるいは低下した口周りの筋肉の活性化を行います。
筋肉圧(頬圧)がかからなくなることで、歯列弓の発達が妨げられなくなることや、舌の誤った位置づけが改善できるようになり、歯列弓の拡大が期待できます。また軟組織の適応変化も期待できます。
大振りな装置となるため違和感は否めませんが、毎日使用していくことで慣れていきます。
乳歯列〜混合歯列期の、上顎前突・下顎前突・開咬と幅広い症例で用いられます。

バイトジャンピングプレート(別名ダブルプレート)

上下一体ではありませんが、上下それぞれ装着し同時に使用することで効果を発揮する装置となります。上あごの装置にはキバのような長く太いワイヤーが付属されており、そのキバによって下あごの装置が前方へと誘導される仕組みになっています。使用続けることで、下あごを前方に位置づける効果を期待します。

トイシャー

顎外矯正装置であるヘッドギアを併用できるように設計された上下一対装置となります。
トイシャーで下あごの成長を促しながら、ヘッドギアで上あごの成長コントロールを行います。
また前歯のワイヤーで傾斜している前歯の改善行います。(唇側傾斜を改善)

▷上顎骨の垂直方向への発育過大を示す骨格性上顎前突に対して、上顎骨の骨格性および歯性の垂直方向への成長コントロール

◎まとめ

上下一対タイプの矯正装置についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
どの矯正装置でも、その目的や使用方法についてしっかりお伝えするようには心がけていますが、お伝えしきれていない部分もあるかと思います。
以前掲載した「可撤式装置」も一読頂き、より装置への理解を深めていただければ幸いです。
今回ご紹介しきれなかった固定式装置や顎外装置についても、順次ご紹介していきますね。

成人矯正、小児矯正は、江戸川区瑞江のステラ矯正歯科へご相談ください。

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ステラ矯正歯科 院長 西田英莉

江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

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