歯科コラム

矯正治療中にむし歯にさせない!食べ方のお話

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ステラ矯正歯科 院長 西田英莉

江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

こんにちは、江戸川区一之江の矯正専門クリニック「ステラ矯正歯科」です。
複雑な矯正器具が入ると、どうしても、むし歯になるリスクは高くなってしまいます。

矯正治療中の方は歯磨きなどケアに気をつけている方が多いと思いますが、
実は日々の食事そのものにも注意が必要です。

むし歯は様々な原因の重なりで起こりますが、その一つとして「食事や間食に含まれる糖分」があります。
本日のコラムでは、「食べ方」について取り上げていきたいと思います。
矯正治療だけでなく、幅広く食べ方について考えるきっかけになれば幸いです。

マシュマロ・テストって知っていますか?

みなさん、TVや書籍で話題になったマシュマロ・テストをご存知ですか?
子供の自制心と将来の社会的成果の関連性を調査した実験です。(※1下記に補足あり)

自制心とは、自分の衝動や感情をコントロールして、目先の欲求を辛抱する能力のことです。
なぜ、マシュマロ・テストの話が出てきたのかというと、
「おやつのダラダラ食べ」も似たようなことがいえるからです。

子供が欲しがるときにおやつを与えていると、当然むし歯になりやすくなります。
またたいして欲しがっていないけれど、静かにするためなど親の都合で、
飴やジュースなどを頻繁に与えていると、習慣化され欲しがる子供に転じていきます。

このようなおやつの食べ方で育った子供は、
歯科治療時になると我慢できずに泣く子が多いというエピソードを書籍で書いている歯科医もいます。

そして子供と一緒に「ダラダラ食べ」をしている保護者は、ふくよかな傾向があるようです。
むし歯になりやすい子供と肥満になりやすい親、できればそんな状況は避けたいです。
「おやつはダラダラ食べさせない・しない」と習慣を変えるだけで、
むし歯予防や肥満予防だけでなく、「自制心」も育てられます。

※1
 話題となったマシュマロ・テストには、続きの話があります。
書籍などで話題になった研究結果は限定的なものであり、
子供の「自制心」は家庭の環境にも左右されるということが、その後の実験結果で判明しました。
これらの研究からいえることは、
「目先の結果にすぐに飛びつかず、辛抱したら良いことがあるという体験を積み重ねることの大切さ」だそうです。興味を持った方はぜひ書籍を読んでみてください。

◎むし歯になりやすい食べ方ワースト3

話を戻しましょう。
おやつに限らず、どんな環境で食事や間食をしていますか?
「ダラダラ食べ」以外に注意しなければならないのが、
「ちょこちょこ食べ」や「ながら食べ」「まとめ食い・ドカ食い」です。

1、「ちょこちょこ食べ」

「ちょこちょこ食べ」は飲食の回数が増えるため、むし歯を起こしやすい食べ方です。

食べ物が口に入る度に、歯は溶かされています。

「ちょこちょこ食べ」のワースト代表格といえば、糖分入りペットボトル飲料。

糖分入り500mlのペットボトル飲料を、何回かに分けて飲む前提で購入している場合は要注意です。
例えば、学生でこんな方がいました。
毎朝、某炭酸ペットボトルを購入。
それを授業の休憩ごとに飲み、部活の合間に飲み、行き帰りの道すがら飲む。
最低でも1日に7、8回の「ちょこちょこ飲み」をし、そこに3食や間食の回数が加わっていたのです。
むし歯予防を考えた際の理想的な飲食回数は、3食+間食は1~2回まで(むし歯リスクの低い食べ物)。
そう考えると、ものすごい回数オーバーです。案の定、歯は溶けていきました。

2、「ながら食べ」

次に「ながら食べ」を取り上げてみましょう。

仕事をしながら、スマートフォンを見ながらといった片手間な食事の仕方をしていませんか。

目の前にある食事に集中していないため、
口の中に食べ物が入っている時間が長くなり、噛むことも疎かになっています。

選ぶ食事自体も、簡単に食べられる軟食になりがちです。

噛まない食事は、歯を守る唾液の力を十分に発揮できず、むし歯の原因になります。

食べカスや細菌を洗い流す力が働かない、菌に対して抵抗する力が働かない、
酸で溶かされた歯の表面を回復する力が働かない。

食事を「忙しいから食べられればなんでも良い」「ただの食材」と思って食べていると、
食事の楽しみや満足感は得られにくくなってしまいます。

また、以前のコラムでもお話しましたが、歯列咬合の安定のためには、
「食べる・話す・呼吸をする」といった動作を正しく機能させることがポイントとなります。
「ながら食べ」はどう考えてみても、良い姿勢で食事は摂れていなそうです。

3、「まとめ食べ・ドカ食い」

最後に「まとめ食べ・ドカ食い」についてです。

ダイエット目的や多忙で食事の時間が取れないなど、
欠食や小食の反動によって起こりやすい食べ方です。

理由は様々だと思いますが、これもあまり良い食べ方とはいえません。
ムラのある食べ方は、軟食傾向でエネルギー不足や栄養不足になりやすく、
むし歯や歯周病の原因となります。

そもそも、むし歯や歯周病は生活習慣病です。
食生活の乱れや運動不足、睡眠トラブル、過度なストレスなどの生活習慣の乱れは、
口の病気だけでなく、様々な病気を引き起こしていきます。

「メタボリックドミノ」をご存知でしょうか?
日々の生活習慣の乱れが、時間の経過とともに蓄積していき、
ドミノ倒しのように病気が発症していく様を「メタボリックドミノ」と表現します。
次々にドミノが倒れ、総崩れになった先が、心筋梗塞や脳卒中なのです。
そして、そのドミノのスタート地点に「むし歯や歯周病」は位置しています。
口の病気予防が全身の病気予防につながるのです。

◎むし歯になりにくい食べ方とは?

ひとことで言うと、小さい頃から規則正しい生活習慣を身につけておくことです。

栄養バランスの取れた食事をする・十分に睡眠を取る・適度に運動をする・食べたら磨くなどは
様々な媒体で書かれています。

将来、生活習慣が乱れることがあっても、
小さい頃に身についていれば、自分で立て直せます。

しかし身についていないと自分の身体に無頓着になり、ますます生活習慣は乱れていきます。

◎まとめ

「食事や間食の取り方について」お話をしてきましたが、いかがだったでしょうか。

矯正治療中の方に限らず、多くの方がもしかすると思い当たる食べ方があったのではないかと思います。

これを機に一度食生活を見直しましょう。

また、進学や就職転職など、個人を取り巻く環境の変化があるときは、
お口の中も変化しやすく注意すべき時期といわれています。

当院のような長期にわたる矯正治療の患者様の場合は、
環境の変化を何度も目にすることもあります。

環境の変化が起きた時には、唾液検査やブラッシング指導を通し
一緒に考え寄り添えるような指導ができればと思っています。

矯正治療中のむし歯リスクからご自身の歯を守るためのセルフケアの方法について知りたい方は、
江戸川区一之江の矯正専門クリニック「ステラ矯正歯科」へお声がけください。

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ステラ矯正歯科 院長 西田英莉

江戸川区瑞江 ステラ矯正歯科 院長 西田英莉  --------------  ◯平成20年鹿児島大学 歯学部 卒業 野井倉賞受賞  ◯平成20年愛知学院大学 歯学部付属病院 研修医  ◯平成21年日本大学 歯科矯正学教室 入局  ◯平成24年-31年福増矯正歯科 常勤勤務  ◯平成27年日本矯正歯科学会認定医修得 

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