こんにちは、江戸川区一之江の矯正専門クリニック「ステラ矯正歯科」です。
歯並びが気になっていても、そのうち矯正しようと思っているあいだに忘れてしまったり、緊急で治療する必要性がイメージできずそのままにしてしまったり、自分でも気が付かないうちに長い時間が経ってしまうこともよくあります。
一方、歯並びが悪いと人前で視線が気になり思いきり笑えないなど心理的な悩みがきっかけとなり矯正治療を決意する方も多いのですが、実は歯並びが悪いことで他にも潜在的に様々なリスクを抱えていることがあります。
今回は、歯並びが悪い状態を放置することで起きるリスクについてお伝えしていきます。
目次
どんなリスクが考えられるか
歯並びは歯の寿命に影響することはご存知でしょうか?80歳まで20本の歯を残そう!という8020運動で、この目標を達成できた人、できなかった人を調査があり歯並びの重要性が再認識されています。歯の寿命の他にも、歯並びは発音にも影響することがあります。
治療する意義を確認するためにも、どんなリスクが考えられるか知っておきましょう。
歯の寿命を縮めるリスクその1 むし歯
歯並びがガタガタしているとブラッシングしづらくなります。十分に意識していて丁寧に磨いているつもりでも、食べカスや磨き残し、細菌の塊であるプラークは落としづらくなってしまいます。また、出っ歯で唇がしっかり閉じられないとお口の中が乾燥して汚れやプラークがこびりついてしまうことも良くあります。
噛み合わせが悪く、よく噛めていない方はついつい柔らかい食べ物ばかり食べていることも多いのではないでしょうか?よく噛むことによって唾液が分泌され、繊維の多い硬い食べ物が歯に擦れることだけでも自然と汚れは落ちます。昔の人達は糖分の少ない硬い食べ物をとにかくよく噛んで食べていたので、むし歯はありませんでした。
このように、むし歯に繋がるリスクがありますので、「ブラッシングしやすい歯」「よく噛める噛み合わせ」を手に入れることも重要です。
歯の寿命を縮めるリスクその2 歯周病
歯と歯ぐきの隙間である「歯周ポケット」に歯垢が残ることが歯周炎や歯肉炎などの原因となります。歯並びが悪いとブラッシングが難しくなるため、歯周病のリスクが上がってしまいます。
また、前歯が噛んでいない開咬や前歯が逆に噛んでいる反対咬合、左右のどちらかしか噛んでいない状況ど、一部の歯に負担がかかる様な噛み合わせだと、咬合力によって歯周病が一気に進行してしまうことが多々あります。
歯の寿命を縮めるリスクその3 歯根破折
先程出てきた開咬や前歯の噛み合わせが逆になっている反対咬合など、一部の歯に負担がかかってしまう噛み合わせの場合歯の寿命が短くなることが分かってきています。注意が必要なのはこのような負担がかかっている歯の神経を取る処置がされていて、金属などの土台と被せ物がされている場合です。神経を取っていると歯は弱くなります。さらに強い咬合力によって中に入っている土台がクサビの様になり、歯根が割れてしまうことがあります。歯根が割れてしまうと抜歯になる可能性が高いのです。
胃腸への負担がかかっているリスク
自分では意識していないことが多いですが、噛み合わせが悪いと食べ物を上手く噛み切れず一口の量が多くなったり、十分に咀嚼しないまま丸飲みになっていることがあります。本来は、消化の始まりはお口の中の唾液です。しっかりと咀嚼することでご飯などの炭水化物に含まれるでんぷんとアミラーゼが混ざり合い消化しやすい形に変えてから胃に運ばれます。食べ物の丸飲みは胃腸に負担がかかったり、栄養吸収の効率が下がってしまうことも考えられます。
顔に歪みが出るリスク
無意識のうちに自分が噛みやすい箇所で咀嚼することで、片側だけが筋肉を使う形になり、顔の輪郭に左右差が生じる場合があります。ただ顔の歪みが気になっていても、その原因が歯並びにあると自分で気がつくことは難しく、知らず知らずのうちに放置してしまいやすいのも特徴です。左右どちらかが噛みづらい、気がつくと片側ばかりで噛んでいると言う方は一度ご相談ください。
発音を妨げるリスク
歯と歯の間に隙間があったり前歯が噛み合っていなかったりすることで、発音を妨げる場合があります。出っ歯や受け口なども同じように発音を妨げ滑舌を悪くします。特に「さ行」「た行」「ら行」は特に話しづらくなりやすい傾向があります。
まとめ
歯並びが悪いまま放置してしまうと、むし歯や歯周病、歯根破折など歯の寿命に影響するだけでなく胃腸に負担がかったり、滑舌や見た目を損なってコンプレックスになってしまったり、思いがけない不利益を生むことがあります。
「大人になってから矯正するのは恥ずかしい…」「子どものうちに無理にやらなくても…」と遠ざけず、まずは矯正歯科医に相談しながら歯並びの状態を正確に把握し、自分に合った治療法を探していきましょう。歯並びは放置しておいて自然に治ることはありません。早めに対策することが、今後の健康を支える1つの柱となります。