こんにちは、江戸川区船堀・瑞江のステラ矯正歯科です。
本日のコラムでは、「自分の健康は自分で守る-セルフメディケーションとOTC医薬品-」についてお話しいたします。「OTC医薬品」については最近よく耳にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際のところよくわからないという方が大半だと思いますので、順を追って説明していきます。
目次
セルフメディケーションについて
「セルフメディケーション」とは、自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当しましょうとする考え方です。
具体的には、
①適度な運動・バランスの取れた食事・十分な睡眠休息に心がけ、日頃から体調を管理する
②身体の不調を手当する際、軽度であれば薬を購入して治す。症状がひどい場合は医療機関を受診する
こうしたことが掲げられています。
セルフメディケーションというと聞き慣れない言葉ですが、生活習慣病予防とほぼ同じと考えて良さそうです。
当たり前のこと、当然だと思った方が多いかもしれません。
ですが、実際に実行できている人は少なく、そのことが様々な問題を引き起こしています。
セルフメディケーションができないと、どんな問題が起こるの?
「個人の問題」として病気が発症します。日々の悪い生活習慣の積み重ねが引き金となるのです。生活習慣病の多くは自覚症状がなく、気がついた時には命に関わるほどの重症になっていることもあり、忍び寄る殺し屋「サイレントキラー」とも呼ばれます。非常に怖い響きです。
病気の程度によっては、今までと同じ日常を送れなくなってしまうこともあります。
平均寿命が伸びている現代では「介護を必要としない・自立して暮らせる健康寿命」をいかに延伸できるかということが課題となっています。そのためには若い頃から自分の健康に関心を持つことが必要となります。
働き過ぎによる肉体の酷使や、うつ病といった心の疲弊、貧困による心身の疲弊は、現代社会の大きな問題となっています。
「大きな問題」としては、病気を抱えた人々の増加が国の医療費を逼迫させています。
超高齢化少子化社会で働き手による税収が減少していく中、国民皆保険を継続していくには「医療費の削減」は早急な課題とされています。
財源が減少していく現実に合わせて、一人ひとりが自分の健康を管理し、病院にかかる機会とその費用を減らしていく必要があります。
産まれつきの疾患や、やむ終えない病気の発症、加齢による病気の発症等、誰にでも起こりうる事態に十分な医療費が使えるよう、「病気にならないための予防・軽度なら薬を自分で購入して治す」というセルフメディケーションの姿勢が求められています。
セルフメディケーションで活用される「OTC医薬品」?
病院を受診して処方される薬を「医薬用医薬品」といいます。それに対して薬局やドラックストアで処方箋なしで買える薬を「OTC医薬品」といいます。ちなみに、「OTC医薬品」とは、英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略語だそうです。
セルフメディケーションでは「OTC医薬品」を上手に活用するよう推進しており、その使用目的は「症状の治療・緩和・予防」となります。
「OTC医薬品」は自分で選んで購入できますが、安全・適切に使用できるように薬剤師や医療品登録販売者の助言を得た上で購入が可能となります。
「OTC医薬品」は多くの人が幅広く使用することを前提として製造・承認・販売されるため、病院で処方される薬よりも有効成分量は少なく作用は穏やかですが、薬効はしっかりと証明されています。歯科でいうと虫歯予防薬として使用されているフッ化ナトリウムを含有したフッ素洗口剤が「OTC医薬品」扱いとなります。
セルフメディケーション税制?
病院受診による費用・処方された薬の費用、これらは国民皆保険によって個人の負担は軽減されます。また、1年間に自己負担した医療費の合計が10万円を超えた場合は「医療費控除」の申請をおこなえます。
同じように「OTC医薬品」の購入額がある一定の額を超えたときに、その金額分が課税所得から差し引かれる制度を「セルフメディケーション税制」といい、所得控除の申請をおこなえます。
大まかには、本人または生計を一にする家族が「OTC医薬品」を購入した際に、その年間の合計額が税込12,000円(上限あり)を超えた分について所得控除を受けられます。
2022年1月から対象となる「OTC医薬品」の幅が広がり、より利用しやすい制度に改新されています。申請には、健康診断を受けていること等、様々な条件がありますが、上手に活用すれば節税になります。
セルフメディケーション税制対象商品って?
「OTC医薬品」は「①要指導医薬品」②「第一類医薬品」③「第二類医薬品」④「第三類医薬品」の4つに分類されます。セルフメディケーション税制は、すべての「OTC医薬品」が対象となるわけでなく、厚生労働省が指定する特定の成分・薬効の「OTC医薬品」が対象となります。
対象商品には、商品パッケージに識別マークが表示されていたり、値札やPOPに示されていたりします。また購入時のレシート欄にセルフメディケーション対象と入力されています。意識せずに購入していたという方は確認するといいでしょう。
まとめ
セルフメディケーションと「OTC医薬品」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか。このコラムを書いたきっかけはラジオで取り上げられていたことです。コロナ禍で、マスクや手洗い等の健康予防・病院受診を控え自分で薬を購入して治すといった行動様式の変化によって、一般受診における医療費が軽減したそうです。
セルフメディケーションをより浸透させるために、今後も様々な対策が取られていくようです。
興味を持たれた方は、調べてみてください。
当院では『矯正治療を通して患者様がより健やかな人生を送ることを』診療理念としております。今後も健康に関する情報を発信していきますのでチェックしてくださいね。