こんにちは。江戸川区瑞江のステラ矯正歯科院長の西田です。
今回のコラムでは「歯の生え変わり時期に見られる特徴的な歯の形態」についてお話したいと思います。
歯列咬合に関わる特徴もあるため、その点も含めてお伝えしますね。
歯がくっついている!?「癒合歯」
2本の隣合った歯が互いにくっついて、1本の歯として生えてくる状態を「癒合歯」といいます。
歯胚(歯の芽)が形成される時期に、歯胚同士がくっついた状態になってしまうことが、癒合歯の原因とされています。
乳歯・永久歯どちらでも見られる特徴ですが、乳歯(特に下の前歯bc)で見られることが多く、発生頻度は乳歯で3~4%、永久歯で1%以下とされています。
結合状態によって「癒合歯・癒着歯・双生歯」に分類がされます。
くっついた境目がはっきりしていることもあれば、境目は薄く普通の歯より少し幅広い形となっていることもあります。
境目部分は構造的に磨きにくいため、むし歯リスクは高くなります。
また乳歯の癒合歯があると、自然に永久歯へと生え変わらないことが多くあります。
そうした場合は、永久歯の萌出を促すために、癒合歯の抜歯が必要となることも出てきます。
矯正歯科と関わることでは、歯の数や歯の幅が合わないことで歯列不正の問題が起こりやすくなります。
具体的には、※ 癒合歯は、大体1.5本分の歯の大きさとなります。
①乳歯が癒合歯だった場合、永久歯が1本しか生えず、1本足りないことがある、(40%の確率で欠如)
②乳歯が癒合歯で永久歯が2本作られても、永久歯の形が通常の形よりも小さいことがある、
③乳歯が癒合歯で永久歯が2本作られても、生える隙間が狭いために凹凸が強く生えてくる、
といった問題が見られます。
矯正治療を行う場合は、癒合歯によって生じたこのような問題点を考慮した上で、治療を進めていくことになります。
「癒合歯・癒着歯・双生歯」の違いは以下になります。
①癒合歯とは…
2つの歯胚が象牙質で癒合した状態です。
②癒着歯とは…
2つの歯胚がセメント質で癒合した状態です。
癒合歯や双生歯と比べると結合の程度が弱いため、生え変わりの際に癒着が外れることが稀にあります。
③双生歯とは…
1つの歯胚(歯の芽)が2つに分離して成長発育した状態です。
癒合歯と発生過程は異なるものの、見た目は似ているため区別が困難なことがあります。
歯が小さい!?「矮小歯」
矮小歯(わいしょうし)と読みます。歯の大きさが通常よりも小さい状態をいい、小ささの程度は個人差があります。
上の前歯から2番目や5番目、親知らずが矮小歯となることが多く、円錐状や蕾(つぼみ)状といった形をしていることが大半です。
矮小歯となる確かな原因はわかっていませんが、退化傾向のある歯に好発することは明らかになっています。
矯正歯科と関わることでは、歯が小さいことで歯列咬合のバランスが崩れやすくなります。
また、歯が小さいために隙間が目立つため、審美性の改善を求めて矯正治療を希望される方もいます。
矯正治療を行う場合は、
矮小歯を残した状態で歯列咬合の改善を行うこともあれば、矮小歯を抜歯して歯列咬合の改善を行うこともあります。
矯正治療以外に矮小歯を改善する方法としては、
接着性レジンや被せ物によって矮小歯を、通常の歯の大きさに施す治療が行われます。
矮小歯と反対に、歯のサイズが通常よりも大きい「巨大歯」も形態的な特徴として見られることがあります。
歯に角!?「中心結節」
奥歯(小臼歯・大臼歯)の咬合面中央に見られる、円錐状もしくは短い棒状の形をした突起状の結節を「中心結節」といいます。
下あご前歯から5番目の歯で多く見られ、発現率は1~4%となります。
突起内部には歯髄が入り込んでいることが多く、噛み合わせの状態や噛む動作によって、突起物が折れてしまうと、神経が剥き出しになり(露髄)、神経が炎症を起こしてしまうため問題となります。
中心結節の破折を未然に防ぐ方法として、突起物周囲をレジンで埋めて折れないように補強する方法や、少しずつ削る方法などがあります。
歯並びに直接影響を与えることほとんどありませんが、最悪の場合、中心結節の破折が抜歯まで至ってしまうこともあります。歯が喪失してしまうと、歯列咬合への影響は大きくなるため、矯正治療の一環として、結節の有無の確認と対処処置を行う医院もあります。
まとめ
いくつか特徴な歯の形態をお伝えしてきましたが、お伝えした以外にも様々な特徴的な形態の歯が存在します。
そして、歯の大きさや形が標準と異なる場合、歯並びを悪くするリスク高まります。
家庭ではなかなか、形態が正常か否かの判断が難しいため、早期に発見し、必要であれば早期介入をするためにも、定期的な歯科医院への受診をお勧めします。
小児矯正のご相談は、江戸川区瑞江のステラ矯正歯科へご相談ください。