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お子さまの矯正治療

小学生
Ⅰ期治療/部分矯正

小学生のお子さまの矯正治療

笑顔の女の子

Ⅰ期矯正治療とは?

小学1年生を過ぎると、乳歯から永久歯に生え変わり、悪い歯並びの特徴がはっきりしてきます。
成長が活発な時期なので、成長を利用した治療に適した時期です。Ⅰ期矯正治療は、歯並びを整える治療ではなく、正しい成長へ促し、歯が並ぶ土台を整えていきます。そのため大人の矯正治療では出来ない、顎や骨格からのアプローチが可能になります。
ある程度治療効果が出たらお休みして成長を経過観察していきます。

Ⅰ期治療開始の歯並びの様子

上下の歯をくっつけ唇を開いている写真

口を大きく開けた写真

前歯は永久歯になり横の乳歯が抜けて永久歯に生え変わってきた時が治療開始のタイミングになります。一見綺麗に並んでいる歯並びですが、乳歯よりも大きい永久歯が生えてくると歯が並ぶスペースが足りずに、歯並びがガタガタになることが多くあります。

お子さんのお口の中
このような歯並びになっていませんか?

ガタガタな歯のイラスト

ガタガタ、デコボコ
八重歯(叢生)

矯正治療例

噛み合わせが深い歯のイラスト

噛み合わせが深い
(過蓋咬合)

矯正治療例

前歯が噛まない歯のイラスト

前歯が噛まない
(開咬、オープンバイト)

矯正治療例

すきっ歯のイラスト

すきっ歯
(空隙歯列)

矯正治療例

ガタガタな歯のイラスト

出っ歯
(上顎前突)

矯正治療例

ガタガタな歯のイラスト

受け口
(反対咬合、下顎前突)

矯正治療例

ガタガタな歯のイラスト

顎が曲がっている
(交叉咬合)

矯正治療例

ガタガタ、デコボコ、八重歯(叢生)

歯の大きさに対して顎が小さくアンバランスであることが原因です。
子供用の4人掛けベンチにお相撲さんが4人座るイメージです。押し出されてデコボコになるのがわかると思います。
歯ならびがデコボコだと、見た目の問題はもちろん歯磨きがしづらいことでむし歯や歯周病のリスクが高くなります。

歯がガタガタになる様子を表したイラスト

叢生の歯並び例

口を開いた上顎の歯

正面から見た歯

正面

左から見たの歯

治療方針・治療方法

年齢やガタガタの程度により異なります。成長期のお子様の場合は土台である顎を広げる治療を行います。ベンチを大きくするイメージです。
装置の例)拡大床、急速拡大装置、クワドヘリックス、バイヘリックス、トレーナーなど

歯が綺麗に並ぶ様子を描いたイラスト

噛み合わせが深い(過蓋咬合)

上の前歯が下の前歯に深く被さっている状態です。下の前歯が上の歯ぐきにあたってしまう場合もあります。上の顎が大きい場合や、下の歯の本数が足りない場合、噛みしめ癖などが原因として考えられます。

成長期の場合、上の前歯が邪魔をして下顎の前方への成長を邪魔してしまうことがあります。
また噛みしめ癖が強い場合は顎の関節に負担がかかって痛みが出ることもあります。

噛み合わせが深い(過蓋咬合)の歯並び例

左から見た歯

正面から見た歯

正面

治療方針・治療方法

成長のあるお子様の場合、顎を前に誘導する装置を夜間使用したり、部分的にブラケットをつけて深い噛み合わせの前歯を押し上げたりすることがあります。
装置例)バイオネーター、ユーティリティアーチなど

綺麗な噛み合わせを描いたイラスト

前歯が噛まない(開咬、オープンバイト)

奥歯を噛み合わせても前歯が噛み合わない状態です。下顎の形や舌の癖、口呼吸などが原因です。前歯で物を噛みきれないだけでなく、発音障害や顎関節症原因となることがあります。色々な不正咬合のうち最も治療後の安定が難しいとされています。

前歯が噛まない(開咬、オープンバイト)の歯並び例

右から見た歯

正面から見た歯

正面

治療方針・治療方法

成長期のお子さまでは下顎が下に成長するのを抑制する装置を寝る時に使用したり、前歯の噛み合わせを改善するために部分的にブラケットをつけ小さな輪ゴムも使用することがあります。装置例)バーティカルチンキャップ、ユーティリティアーチなど

いずれの場合も原因として発音時や食事の際の舌の癖が関与していますので、治療後の安定のためにも舌のトレーニングを行なったり、口呼吸になっている場合は鼻呼吸への転換も必要となります。

治療方法を表したイラスト

前歯に輪ゴムを使用して
歯を引っ張ります

すきっ歯(空隙歯列)

歯と歯の間に隙間がある状態です。歯の大きさが小さい場合や顎が大きすぎることが原因です。また、歯が骨の中に埋まって生えてこない場合や歯の数が足りない場合でも隙間が生じることがあります。
前歯の隙間は見た目の問題もありますが、噛みづらかったり発音に問題が出ることがあります。

すきっ歯(空隙歯列)の歯並び例

右から見た歯

正面から見た歯

正面

治療方針・治療方法

まだ乳歯が多い歯並びや犬歯が生えていないの場合の隙間は、子供の方が大人の歯より小さいために生じている正常な隙間(発育空隙)なので治療の対象にはなりません。永久歯の萌出に伴って自然に隙間はなくなります。ただ、永久歯がもともと足りず、噛み合わせに影響が出ている場合はある程度歯を並べて、隙間を集めておく場合もあります。 また、上唇小帯という歯茎と唇をつなぐひものような部分が歯と歯の間に入り込んでいる場合は、経過観察が必要です。

綺麗な歯並びになる様子を描いたイラスト

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が外側に出ている状態。上下の顎の前後的な位置のズレの場合と、歯と顎の大きさのアンバランスにより、歯が大きく顎に収まらず外側に飛び出している場合があります。

歯が前に出ているために口が閉じにくく、無理に閉じると顎に梅干しのようなシワができてしまいます。ただ口を閉じているだけなのに怒っているような印象になってしまいます。また、口が閉じにくいことでお口が乾燥してしまい汚れが落ちにくく、むし歯や歯周病のリスクが上がります。お子様の場合、転倒により前歯を折ってしまう事故も起きやすいです。

出っ歯(上顎前突)の歯並び例

右から見た歯

正面から見た歯

正面

梅干し顎

うめぼし顎

治療方針・治療方法

成長期のお子さまの場合は顎を広げて隙間を作り歯を内側に入れてあげたり、上下の顎の成長のアンバランスを装置を使用して整える治療を行います。ズレの原因が上顎にあるか、下顎にあるのかによって治療方法が変わり装置も変わります。
装置例)バイオネーター、ヘッドギア、ユーティリティアーチなど

綺麗な歯並びを描いたイラスト

受け口(反対咬合、下顎前突)

上の前歯が下の前歯より前に出ている状態。上顎に対して下顎が大きく前にズレている場合や下の前歯の傾きも原因となります。低位舌といって舌の位置が大きく関与しています。
前歯で物が噛みきれなかったり、発音障害の原因にもなります。また前歯が噛み合わず奥歯に負担がかかるため歯の寿命が短くなりやすいとされています。

受け口(反対咬合、下顎前突)の歯並び例

右から見た歯

正面から見た歯

正面

治療方針・治療方法

成長期のお子さまの場合は、上下の顎の成長のアンバランスを修正するような装置を使用します。多くの場合、上顎の成長が少ないことが原因のためそれを助けるために夜間にフェイシャルマスクという装置を使用します。装置例)フェイシャルマスクなど

治療の様子を描いたイラスト

ゴムの力で上あごを
前に引っ張ります

顎が曲がっている(交叉咬合)

下の奥歯が上の奥歯より外側にあり、上の奥歯に覆われていない噛み合わせです。片側がこの状態になっていると顔や上下歯のまん中もズレてしまいます。交叉している方では噛みづらいため片噛みになったり、顎関節に負担が生じる事もあります。上顎の横幅が狭いことや頬杖なども原因となります。

顎が曲がっている(交叉咬合)の歯並び例

右から見た歯

正面から見た歯

正面

治療方針・治療方法

成長期のお子さまの場合、噛み合わせに誘導されて顎が曲がって成長してしまうため早期の改善が必要です。上顎を広げる装置を使用します。その後も顎のズレが残るような場合は顎の位置を誘導する装置を夜間寝る時に使用します。
装置例)急速拡大装置、バイオネーター

治療の様子を描いたイラスト

アーチのゆがみを
整えていく

噛み合わせが改善
する

子どもの頃から矯正治療を始めないと
外科手術が必要になる場合もあります

成長と受け口

初診矯正相談

初回診療時の写真

この患者さまは7歳の頃来院されましたが、その頃はまだ前歯は受け口ではありませんでした。
しかし、横顔のレントゲンを診断すると上あごの成長が遅く下顎が大きい下顎前突傾向があることがわかっていました。残念ながら治療には至らず経過観察を行っていました。

9歳の頃の口腔写真

10歳の頃の口腔写真

14歳の頃の口腔写真

17歳の頃の口腔写真

成長に伴って、受け口がだんだんひどくなっていきました。

18歳の頃の口腔写真

下あごの成長があり成長が落ち着く頃にはかなりのズレとなってしまいました。
ここまでのズレだと手術でバランスを改善するしかありません。

お子さまの成長と歯並びについて

成長を表したイラスト

顔の上半分はあまり変わらず、下顎が成長することにより、顔全体のバランスが変わります。

良いタイミングで成長を導いてあげると、
上下のバランスが取りやすくなります。

女の子では小学校の高学年、男の子では中学2年生くらいからぐっと身長が伸びる第二次成長期に入ります。
あごの骨の成長のピークは身長の伸びのピークの1年後にくると言われています。
ただし、実はこの時期に成長するのは下あごだけです。
上あごと下あごは成長の時期にズレがあります!
上のあごは頭蓋骨の一部としてその成長は10歳くらいで止まってしまいます。
一方、下あごは背骨と同じ成長をするため上下の顎には成長差があるのです。
そのため、あごが小さく小顔のお子さんが急にあごがしっかりした大人びた顔になるのです。

※このページ内の年齢は目安です。成長や生え変わりには個人差があります。

message

子どもの矯正治療の可能性

成長を見極めることは大変難しいことです。
矯正治療で全ての成長をコントロールすることもできません。
ただ、必要な時期に必要な治療を行うことで、成長後の侵襲を少なくできる可能性は高くなります。
また、成長には呼吸や姿勢、頬杖や寝相などの機能的な問題も深く関わっています。
治療を行うかどうかは別としてお子さまの歯並び、あごの成長で気になることがあれば、ぜひお口の中を見せて頂きたいと思います。

西田先生

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